RosaRodahn’s diary

ブレない 折れない 焦らない~積立投資とバラの成長

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稼ぐ範囲で使い 余りは投資する 借入金はさける その2

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積立vs一括投資比較シリーズ 第2話です。

積立投資のリスクをグラフを使ってわかりやすくお伝えできればと思います。

(掲載の予定が遅れていて申し訳ありません)

この記事でわかること

  • 歴史的に見て、一括投資の方が効率的
  • 積立投資はリスク軽減にそれほど効果がない

前回のおさらい

ある月の株価や物価指数と10年後を比べて、一括投資と積立投資、どちらのリターンが優れているかを分析します。分析は1923年1月からスタートして2022年1月に至るまで、延々と約100年、ざっと1200か月繰り返す「1,200本勝負」で行います。

rosarodahn.hatenablog.com

 

10年間投資した結果

一括投資 

まずは10年間一括投資のリターンを見てましょう。

大きくリターンが落ち込んでいるのはリーマンショックを除けば2回しかありません。一括投資は「ハイリスク ハイリターン」のイメージがあります。事実、ミレニアム年度2000年4月には年率15.8%という驚異的なリターンをたたき出しています。

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グラフのスタート地点

グラフの一番左(「1923年」のラベル)は1923年1月を表しています。これは1923年1月の10年前 1913年1月から10年間投資し続けたらリターンはどうなっていたかということを示しています。一括投資ですから1913年1月に手持ちの資産をS&P500の投資信託ETFに一括投資したと考えてください。まとめると

 

【グラフ一番左の結果】

1913年1月 ~ 1923年1月 10年間一括投資のリターン:▲0.4%(年率)

 

大恐慌の影響(1932年~1942年ごろ)

グラフを右にたどると1930年代に大きくリターンを減らして、マイナスになっている部分があります。

1929年9月4日頃から始まったアメリカの株価の大暴落に端を発し、1929年10月24日、通称「暗黒の木曜日」を経て、世界中で起こった大恐慌の影響です。

1920年代の特にアメリカは経済状態が良い時期で、株価は当時最高値となっていました。恐慌は1929年9月に始まっていますので、株価は前月8月が最高値です。

 

大恐慌の影響】

1929年8月 ~ 1938年8月 10年間一括投資のリターン:▲8.1%(年率)

 

オイルショック(1974年)

1972年から1974年にも小幅ながらリターンが落ちている時期があります。原因は第1次オイルショックの影響でインフレ率が高まり、FRBが大幅な利上げ行ったためと言われています。

 

オイルショックの影響】

1964年12月 ~ 1974年12月 10年間一括投資のリターン:▲2.2%(年率)

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大恐慌 ~ 史上最大の株価暴落

積立投資

次に10年間積立投資のリターンを見てましょう。

積立(試算)の前提は以下の通りです。

  • 毎月1,000ドルずつS&P500をベンチマークとする投資信託ETFを購入
  • 投資期間は10年間、10年後の資産評価額が120,000ドル(1000ドル×120か月)に対してどれだけ増減しているかでリターンを算出
  • (分析の単純化のため)配当は考慮しない

時間を分散して投資している影響により、一括投資と資産のアップダウンのテンポが数年ずれます。

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大恐慌の影響(1932年~1942年ごろ)

積立投資といえども史上最大の恐慌を乗り越えるのは容易ではありません。資産残高が最も減ったパターンは1922年6月に投資を始めたパターンです。この時、10年経過後の資産は元本に対して61.7%(!)の損失を出しています。

 

大恐慌の影響】

1922年6月 ~ 1932年6月 10年間一括投資のリターン:▲9.2%(年率)

 

オイルショック(1974年)

オイルショックの影響】

1964年12月 ~ 1974年12月 10年間一括投資のリターン:▲3.2%(年率)

 

一括投資と積立投資を比較してみます

2つのグラフを重ねて比較してみましょう。

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グラフの印象

リターンがプラスときは一貫して一括投資が積立投資を上回っています。

大恐慌の時を除いて、マイナスの時は同じような動きをしています。

 

リスク

大恐慌オイルショックの時、それぞれでリターンが最も悪かった投資パターンを比べています。

大恐慌

一括投資

 1929年8月 ~ 1938年8月 10年間一括投資のリターン:▲8.1%(年率)

積立投資

 1922年6月 ~ 1932年6月 10年間一括投資のリターン:▲9.2%(年率)

 

オイルショック

一括投資

 1964年12月 ~ 1974年12月 10年間一括投資のリターン:▲2.2%(年率)

積立投資

 1964年12月 ~ 1974年12月 10年間一括投資のリターン:▲3.2%(年率)

リターン

リターンが最高水準であったミレニアム年度2000年4月のリターンを比べています。

一括投資

 1990年4月 ~ 2000年4月 10年間一括投資のリターン:+15.8%(年率)

積立投資

 1990年4月 ~ 2000年4月 10年間一括投資のリターン:+10.2%(年率)

 

まとめ

リターンを単純に比較すると、株価が下落したとき積立投資は一括投資に比べて下落の幅が大きいことがわかります。また、リターンは概ね一括投資が優れているという結果となりました。

「積立投資は一括投資に比べてリスクが少ない」というイメージがありますが、10年間の投資成績を見る限り、リスク分散に積立はあまり役に立っていなさそうです。

 

次回予告

ちょっと、掲載予定が遅れて申し訳ありません。

次回はインフレとの比較をしてみようと思います。

20年投資のパターンはもう少し後になりそうです(前回ページを少し修正しています)。

 

「勝者のゲーム」に勝つ秘訣は「敗者のゲーム」に参加しないことでしたね。長期投資家が生涯をかけてまず立ち向かうのはインフレです。

積立投資がインフレ率を上回るリターンを出しているか、お楽しみに。

 

一括投資と比較したとき、積立投資に対する私の思いを書いています。

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