医療費を節約して投資資金を増やす その1
いつ・どれくらい必要か読めない医療費。
出ていくお金も相当なものになりますので資産運用にも大きな影響を及ぼします。
この記事でわかること
- 将来、必要な医療費に対する不安のぬぐい方
- 医療費と保険料を節約して投資資金を増やす方法
(本日以降、5回の掲載を通じてお伝えします)
- この記事でわかること
- 医療費への不安を軽くする方法
- 年をとっても自己負担はそれほど増えない
- 病気のリスクと将来の医療費を見える化し、コントロールすること
- 真に必要な保険の考え方
- 医療費を減らして投資資金を増やす方法 ~ 今後の予定
病気にかかったときに必要な診療費、薬代、入院費用、歯の治療代・・・医療費は減らすことができません。節約ができないものの代表選手です。
また、「いつ」「どれくらい」かかるかわかりません。年を重ねるにつれ、医療費の不安は増すばかりです。こうした不安に対処するための保険に入れば、保険料が投資資金を目減りさせます。
医療費への不安を軽くする方法
長期投資を続けるにあたって、この読めない医療費とどう付き合うのかはしっかり考えていかなければならないと思います。
まずやることは、病気のリスクや医療費に対する不安を軽くすることです。このシリーズでは3つのことをお伝えしようとおもいます。
年をとっても自己負担はそれほど増えない
年齢と医療費の関係
年をとれば医療費は増えます。
グラフは国民一人当たりの医療費を年齢別に追ったものですが、
- 60歳代は50歳代の約1.6倍
- 70歳代は50歳代の約2.5倍
という結果になっています。
「自己負担」を理解する
医療費は「公的保険」と「自己負担」の2つの部分から成り立ちます。本稿では「自己負担」をさらに「コントロールができない部分」「コントロールがある程度できる部分」に分けます。
医療費に対する自己負担の割合を「自己負担割合」と言い、年齢によって率が定められています。
自己負担は年齢とともにあまり増えないという簡単な理屈
統計上、医療費は60歳代は50歳代の約1.6倍となります。しかし、自己負担割合は3割から2割に下がっています。理論上、
- 60歳代 1.6倍 ×(0.2÷0.3)=1.06倍
- 70歳代 2.5倍 ×(0.1÷0.3)=0.83倍
50歳から70歳にかけての自己負担額はあまり増えないどころか減っているということになります(実際には所得の関係で自己負担割合の設定はかなりむずかしいルールがあります)。
しかし、各家庭の家計簿における医療費の支出を見てみても、年齢が上がってもそれほど大きく変化はしていません。
理屈上も、実際の支出を見ても、年齢ととも医療費が上がっていくことについてめっちゃ心配しなくていいということが少しはおわかりいただけたでしょうか。
病気のリスクと将来の医療費を見える化し、コントロールすること
投資におけるリスク・リターンの「見える化」は「期待値」を求めることでしたね。病気と医療費についても同じことが言えます。
必要な医療費を下げることは難しいですが、健康診断や生活改善で将来のリスクを下げることは、医療費や保険料をおさえることにつながります。
将来の医療費の「見える化」=期待値
病気にかかる確率 × 必要な医療費
ただし、何万とある病気すべてについてこれを計算することはできません。
大事なのは、かかりやすくしかも医療費が大きいリスクを見える化することです。
「かかりやすい × 医療費が大きい」病気とは?
それは生活習慣病です。がん、循環器疾患、糖尿病などの生活習慣病は、私たちの医療費の約3割、死亡者数の約6割を占めています。
この生活習慣病のリスクを下げることが、医療費への不安を和らげる重要なカギとなります。
リスクはどうやって下げる?
健康診断(健診)
健診を受ける人と受けない人の間には明らかな医療費の差があることがわかっています。
健康診断は職場や多くの自治体で無料で受けられます。
また、保健師さんによる生活改善のための「特定保健指導」についても、多くの場合、無料で受けることができます。
生活改善
生活改善により、生活習慣病のリスクが下がることが証明されています。
例えば、40歳体重80Kgで喫煙している人が、タバコをやめると虚血心疾患のリスクが50%減ることがわかっています。
真に必要な保険の考え方
「掛け捨て」という言葉を考えたことがありますか?
私の保険はすべて掛け捨てです。
私は「掛け捨て」という言葉が嫌いです。保険は助け合いのためにするものです。私が掛け捨てた保険料は急な事故や病気で困っている人に役に立っているはずです。
したがって、元本は保証されていなくていいのです。保険は運用ではありません。保険と運用を混同すると、投資資金の捻出というそもそもの前提が崩れ去ります。
払った保険料は誰かの役に立っている、いつかだれかが私がケガや病気で困ったときに助けてくれる、そんな気持ちで払うものだと思います。
保険会社のパンフで思うこと
情報が多すぎます。情報が多いと不安になります。不安な気持ちのまま、保険営業担当者の話を聞き、結局あれこれ不必要な保険に入ってしまったという経験がある方もおられるのではないでしょうか。
特に医療保険はその傾向が強いように思われます。
保険を選ぶときは最低限、
- 優れた日本の公的保険制度
- 健診と生活習慣である程度医療費がコントロールできること
を理解して、ある程度の自信をもって臨むことが大切と思います。
ある程度、将来の医療費が見える化できたら
「見える化」すべき病気は生活習慣病です。生活改善で病気と医療費のリスクは確実に下げることができます。
そして、生活改善を続けていると自分の健康に自信が持てるようになります。そんな気持ちで保険の契約を振りかえると、自分にとって真に必要なものが見えてくると思います。
医療費を減らして投資資金を増やす方法 ~ 今後の予定
これから5回にわたって以下のトピックをお伝えする予定です。
1.医療費を「見える化」する
【わかること】
- 年をとっても自己負担は増えない
- 将来の医療費を見える化する公式:病気のリスク×自己負担
2.年をとっても自己負担が増えないワケ
【わかること】
- 各年代でどれくらいの自己負担があるか
- 世界に誇る日本の公的保険制度を5分で理解
3.コントロールできる病気のリスク
【わかること】
4.医療費をコントロールする
【わかること】
5.真に必要な保険の考え方
【わかること】
- 保険の原則
- 契約見直しのポイント
これらのトピックが少しでも医療費と保険料の節減につながれば幸いです。
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