RosaRodahn’s diary

ブレない 折れない 焦らない~積立投資とバラの成長

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欧州株の問題行動

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1か月前、モーニングスターでの記事です。一見、「米国株めちゃ有利やん」って言っているようにも見えるのですが、よく読むと実は複数の国に分散して投資する大切さを教えてくれているような記事のようにも見えます。

www.morningstar.co.jp

私も複数の国に分散して外国株を持つようにしています。

ウクライナの戦争が始まって以来、外国株を眺めながら欧州株の動きにハラハラしています。

 

 

輝かしい米国株、冴えない欧州株

値動きが大きい割には肝心な時に動かない、そして戦争が起これば下落・・・といった感じで、欧州株の印象は「問題児」。

特に最近5年ほどの晴れ晴れしい米国株と比べてしまうせいか、欧州株は冴えなく、目立たない引きこもり問題児のように見えます。欧州株の成績を振り返ってみましょう。

 

ETFで比較

まずは代表的なETF直近10年のリターンとリスクです。

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出典:モーニングスター(3/10現在値)

リターン、リスクどちらをとっても米国にかなわないばかりか、世界の先進国に分散投資した株(厳密にはETFですが、株も含め以下「全世界株」といいます)にも及びません。

 

10年・20年リターンの比較

次は、冒頭でご紹介した記事のグラフを見てみます。グラフは米国株(S&P500)と全世界株の指標であるMSCIワールド・インデックスと比較して、米国株がどれだけ全世界株のリターンに勝っているかを検証しています。

https://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2022/1q/images/i220217-02.gif?type=pc

※ 米国株=S&P500(配当込み、米ドル)、複数国株平均=MSCワールド・インデックス(配当込み、米ドル)、リターン差=米国株―複数国株平均、データ参照期間:1970年1月~2022年1月(月次)
出典:モーニングスター

 

10年リターンでは2015年以降、一貫して米国株が全世界株を上回っており、20年リターンとなれば米国株の勝率は9割を超え圧勝となります。

 この全世界株が米国株に見劣りする原因こそ、冴えなく目立たない欧州株ということになります。なぜなら、欧州株は米国について全世界株に占める割合が大きいからです。

 

欧州株が輝いていたころ

実はリーマンショック前、欧州株の稼ぎはなかなかのものでした。

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欧州株の栄光   出典:Porfolio Visualizer

グラフは、リーマンショック前の2005年に1万ドルを米国株、欧州株にそれぞれ投資したらどれだけ資産が上げ下げしてたかを示しています。

オレンジ色が欧州株に投資していた場合ですが、欧州株が最も輝いていた2007年の10月には米国株の2倍以上の稼ぎをたたき出していました。

ただし、ここでも欧州株は問題行動を起こします。なぜなら、リーマンショックでの凋落ぶりがすさまじく、最大下落率は44.73%、これは米国株の1.2倍の大きさになります。

昔も今も下がるときもジェットコースターなので、見ていていつもハラハラするのが欧州株です。


何を競い、何を目指すか

複数の国に分散して投資をする意義は、戦争や為替による各国が抱えるリスクを分散することで資産価格のバラツキを抑えることです。

欧州株は資産価格のバラツキを大きくし、リスクを大きくする問題行動を起こします。こうした問題児はさっさと処分してしまうべきなのでしょうか?

もう一度、冒頭で紹介した記事を読み返すとそのヒントがあります。

この場合、(20年リターンは)9割の月で米国株が先進国株平均を上回っており、米国株の優位性が明らかとなった。ただし、20年リターンの場合には、米国株と複数国株平均の差異は最大でも年率で2%台前半にとどまった月が目立ち、単純平均では1.2%となっていた。

 

今の『GAFAM』などに対する評価の延長線上で(今後の投資を)考えると、投資判断を誤る可能性があるだろう。ちなみに、金融危機直前の2007年末の時価総額ランキングのトップ10には中国の企業が3社、香港が1社、ロシアが1社ランクインしていたが、現在のこれらの国・地域への評価や投資スタンスはどのようになっているかもあわせて考えておきたい。

 

国別にどういう割合で投資をするかに答えはありません。

肝心なのは分散投資により20年後にインフレ率を超えるリターンを確保することです。

そして、少なくとも米国株とのパフォーマンスを競うことではないということは言えるのかもしれません。